ショパールのアルパイン イーグル。
アルプスの自然にインスパイアされた美しいデザインは多くの人を魅了しています。
特にダイアルはワシの目の虹彩を模した「イーグルアイリス」とも呼ばれるデザインをしており、公式サイトでもワシに関する記述が見られます。
今回はそんなアルパイン イーグルの名前にも使われているイーグル(ワシ)についてまとめてみたいと思います。
あまり深追いせずにさっと読める内容になっているので、気軽にご覧いただけたらと思います。
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イヌワシについて
まず初めに言っておくと、アルパイン イーグルが着想を得たアルプスに生息するワシは“イヌワシ”です。
ワシと聞くと頭は白色で黄色いくちばしを連想する人が多いと思いますが、それはハクトウワシで別の種類です(絵文字で出てくるワシ🦅もハクトウワシ)。
一方イヌワシはほぼ全身が黒みがかった茶色。後頭部が美しい黄褐色をしており、英名の”ゴールデン”はここから付けられています。
以下にその生態を軽くまとめてみました↓
- 和名:犬鷲、狗鷲
- 英名:ゴールデンイーグル
- 全長:75~85cm
- 翼開長:175~200cm
- 生息地:主に北半球の山岳地帯
- 寿命:野生化→10~30年 飼育下→30~50年
- その他:絶滅危惧ⅠB類、国の天然記念物に指定、国内希少野生動植物種に指定
アルプスのワシという事で縁遠い気もしますが日本でも姿を確認することができ、”北海道、東北から中部、中国地方の日本海側を中心に生息。四国、九州ではごくわずかに生息(引用:環境省)”しています。
「イヌ」ワシという名前の由来については諸説あり
- 天狗のモデルがイヌワシ説。和名では狗鷲と表記する。
- 「いぬ」はより下を意味するものであり、より大きい大鷲(オオワシ)などに比べて下の意味で付いた。
- 逆に「いぬ」は大きいものを現す言葉であり、大きい鷲という意味で付いた。
- 鳴き声がイヌのようだから。
象徴・イメージとしてのイヌワシ
ワシはその姿から「力強さ・孤高・勇壮」といったプラスイメージがあり、古くは神聖ローマ帝国の頃から国章などに用いられてきました(現在でもメキシコの国章に使われています)。
日本においてもワシはアイコンとして使われており、その例をいくつか挙げてみましょう。
- 大正製薬
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- 「ワシのマークの大正製薬」でお馴染み
- ロゴマークのワシが使われたのは1955年から
- 力強く、未来に向かって羽ばたく会社のイメージにぴったりと言うことから「ワシ」が選ばれた
- 東北楽天ゴールデンイーグルス
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- チーム名にイヌワシの英名である「ゴールデンイーグル」を使用
- 東北地方の世界遺産・白神山地に生息するイヌワシにちなんでいる
- チームロゴはイヌワシが勝利に向かって力強く飛ぶ姿を表現している
- ベガルタ仙台
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- クラブエンブレムにイヌワシを使用。
- 「勝利をもたらすワシ」を象徴している。
- 石川県
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「石川県を象徴する名山白山に常住する留鳥であり、翼開長2mの雄々しい姿、勇猛果敢な性格は県民に広大進取の気風を高め、県勢を全国に雄飛させるにふさわしい。」という理由で、昭和40年1月1日に県鳥に指定。
引用:石川県
ショパールがイヌワシを選んだ理由
アルパイン イーグルにはサンモリッツというベースはあるものの、ワシを連想させるデザインではありませんでした。
アルパイン イーグルの製作は、ショパールとしても新しい出発だったはずです。発表当時は「新しいラグスポ」として多くの人を驚かせていた記憶があります。
ですから、「アルプスの自然の中で最もこの時計のイメージに合致するものは何か?」と考えた時に、大空に向かって力強く飛び立つイヌワシが選ばれたのではないでしょうか。
この時計に関わる全ての人にワシが持つプラスイメージをもたらすために。
カール-フリードリッヒがデザインした「アルパイン イーグル」は、彼のアルプスへの情熱とワシの圧倒的な力強さを宿します。
ショパール公式 https://www.chopard.jp/alpine-eagle-large-298600-3001
まとめ
- アルパイン イーグルのデザイン(ダイアル)の基となったのは「イヌワシ」
- 和名のイヌワシの由来は諸説ある
- 英名「ゴールデンイーグル」
- 日本でも見られるが数は少ない
- 古くから象徴として用いられてきた
- さまざまなプラスイメージ
以上、イヌワシについての記事でした。
動画なんかを見ていると、イヌワシは猛禽類特有のカッコよさや凛々しさがありますし、その佇まいが腕時計とリンクしていてオーナーとしても気分は上がります。
正直、アルパイン イーグルを購入・所有する上では必要のない知識ですが、側面を知ることでまた新しい時計の見方ができるのではないでしょうか。
現に僕がこうして記事にしていることも、ショパールも述べている”命あるものの尊さ”を知る機会になっていますしね。