先日、腕時計を見に行ったところ、IWCの新作マーク20の青文字盤を発見したので試着してきました。
その結果、購入候補に挙がるくらい惹かれたので急遽記事にしたいと思います。
試着して初めて分かった魅力的な点も多々あり、良い意味で期待を裏切られました。

それではいってみましょう
デザイン
ダイアル






やはりIWCの青は綺麗ですね。
この写真だとポルトギーゼの青とは色味が違うように見えますが、実際は同じだと思います。
パイロットウォッチとは思えない上品さを感じます。
以前試着したパイロット・ウォッチがSSブレスだったので、よりそう感じるのかもしれません。
なんでしょうね、このIWCにだけ感じるものは。ブロガーのくせに上手く言語化できません。
ケース


ケースサイドはポルトギーゼとほぼ同じような形状。
ケース厚は前作より0.2mm薄い10.8mm。これくらい薄いと装着感は良いですね。


風防はドーム型でぷっくりしてます。
両面無反射コーティングのおかげなのか、僕の気のせいなのか(おそらく後者)、風防にすごい透明感があるように感じましたね。


青文字盤ですがプティ・プランスでは無いので、ケースバックに星の王子さまはいません。
新しく刻印された「10 BAR」の文字が誇らしげ。


そして、一番関心したのがねじ込み式リューズの締め具合。
ねじ込み式リューズは何度か巻かないと締まらないですが、2~3回巻けばすぐに溝が噛み合い「キュッ」っと締まる操作感にとても好感を抱きました。
ねじ込み式ってここが面倒だったりしますからね。
ストラップ


ストラップには「EASX-CHANGE®」システムを採用。つまり工具なしでの交換が可能に。
交換方法はちょっと独特で、上の写真の「IWC」の箇所をグッと押し込むとラグ棒に引っ掛かった爪が外れる仕組みです。
IWCはこの辺の取り組みが鈍い(最たる例はポルトギーゼ・クロノグラフのSSブレス)ように感じていましたが、最近はようやく力を入れてきた印象です。
リストショット










写真だと大きく見えますが、実際に手首に乗せるとケースは腕に収まっています。
数字よりは小ぶりに感じたんですが、実際ラグからラグの長さが前作より1mm短くなったようですね。
マークシリーズとは


「そもそもマークシリーズってよく分かってない…」という、僕みたいな人もいるかもしれないので少し調べてみました。
簡単に言うとイギリス空軍の要請により作られた時計をルーツに持つコレクションです
時系列順に追って見ていきます


- IWCの初代パイロットウォッチ
- ポルトギーゼより3年早い登場
- 気候変動に強く、耐磁性まで備えていた
- マーク9という名称は後から付けられた


- 英国空軍の要請を受けて、パイロットの為に作った腕時計
- マークシリーズの始祖と言えるモデル
- この頃からすでに軟鉄製のインナー ケースを採用し、高い耐磁性を実現
- アルバート・ペラトン設計のCal.89を搭載


- 民間向けに販売
- IWCの創立125周年を記念して作られた
- マーク11を自動巻きにしてデイトを加えたもの
- ムーブメントはジャガー・ルクルトのCal.889をベースにしたCal.884/2


- ムーブメントをCal.889ベースから、ETAの2892A2をベースとしたCal.37524へ変更
- ケースサイズが38mmにサイズアップ


- 現行モデルに最も近くなったのがこのマーク16から
- ムーブメントはETA社の2892A2をベースとしたCal.30110
- 「ローザンジュ針」と呼ばれる針が特徴的
- 大きくなったケースサイズ(39mm)含めて、デザインがガラリと変わったので好みは分かれる?


- デイトのインジケーターが3日分に
- ケースサイズは41mmとさらにサイズアップ
- Cal.30110のベースをETA社からセリタ社のSW300に変更(販売時期によって混在)


- バーインデックスの長さを統一
- ケースサイズは40mmにダウン


- 今回紹介しているモデル
- 前作であるマーク18から6年後の発売となった
- 1936年:マーク9
- 1948年:マーク11
- 1993年:マーク12
- 1999年:マーク15
- 2006年:マーク16
- 2012年:マーク17
- 2016年:マーク18
- 2022年:マーク20
このようにマークシリーズは確かな実績と、長い歴史をもつ時計だと分かりますね。
よく見るとモデルごとに特徴があり、過去のモデルを手に入れる人の気持ちが分かります(私はマーク16が好み)。
登場から85年以上経った今もその系譜に連なるということで、他のパイロットウォッチより魅力的に写ります。



ちなみに何故「マーク(MARK)」と呼ぶのかは分かりませんでした…おそらくパイロットの名前だと思いますが(知っている人いたら教えて下さい)
パイロット・ウォッチ・オートマティック36との比較




似たようなモデルに「パイロット・ウォッチ・オートマティック 36(IW324008)」があります。



知らない人が見たら間違い探しレベル…?
この両者を比較してみるとこんな感じ。
項目 | マーク20 | パイロット36 |
---|---|---|
ケース | 40mm | 36mm |
厚さ | 10.8mm | 10.4mm |
防水性 | 10気圧 | 6気圧 |
リューズ | ねじ込み式 | ねじ込み式 |
パワーリザーブ | 120時間 | 42時間 |
ラグ幅 | 20mm | 18mm |
価格(税抜き) | 830,500円 | 753,500円 |
その他 | 「EASX-CHANGE®」システム |
正直、ケースサイズが気にならなければマーク20一択でしょう。
パワーリザーブが飛躍的に伸び、ストラップのクイック交換システムにも対応し、実用性がさらに高くなりました。価格もさほど変わりません。
では「パイロット36は不要か?」と聞かれると僕はそうは思いません。
今の時代に36mmサイズのパイロットウォッチをラインナップしてくれることはとても貴重だと思います。
プティ・プランスを無くし、マークシリーズに青文字盤をレギュラー化したことで、パイロット36の立ち位置はよりハッキリしたものになったと思います。
とはいえ、IWCはディスコンする時はどんどんするのでいつまで残るか分かりませんが…


まとめ
パイロット・ウォッチといえばポルトギーゼと並ぶ、IWCを代表するコレクション。
今回マークシリーズについて調べて、より惹かれるようになりました。
僕の腕時計人生はアルパイン イーグルを購入したことで終了したのですが、オンではパイロットウォッチ、オフではポルトギーゼというラインナップは非常に魅力的に映りますね…
個人的には仕事用の時計にしたいので、手入れが楽なラバーストラップを着けて使い倒したいですね。


仮に傷だらけになってしまっても、それが似合う時計でしょう。



みなさん試着は計画的に…