前回の記事では、アクイスのデザインを中心に写真付きでレビューしていきました。
今回はアクイス購入に至った経緯や、それに伴う僕の腕時計観について少しだけ掘り下げていきたいと思います。
タイトルにある通り、次に買う時計にオメガのアクアテラを候補にしていました。
それがなぜアクイスに替わったのか?理由は以下の4つです。
- ダイアルカラー
- 実用的すぎるスペック
- クイックストラップチェンジシステム
- 絶妙な価格設定
順を追って説明していきますが、最大の理由はダイアルカラーです。
アクアテラの青も好きでしたが、細かい点で不満が残る中、アクイスの新しいブルーダイアルにやられてしまったという感じです。
アクイス購入前の現状
購入の経緯について書くには、購入前の僕の現状からお話しようと思います。
※興味のない方は読み飛ばして下さい
僕が所有する機械式腕時計は5本。このうち仕事で使っているのはティソのバラードで、残りの4本はプライベート用に使用しています。
仕事用とプライベート用のバランスが悪く、仕事用にももう少し良い時計を買いたかったので、次に買う時計は仕事用にしようと思っていました。
一口に仕事用の時計と言っても色々ありますが、僕が考えた条件がこの4つ。
- 仕事で毎日使える実用性(デザイン含む)
- ある程度の堅牢性を有している
- 文字盤カラーは白か青
- バラードとは異なる個性(3とほぼ同じ理由)
僕の仕事はデスクワーク中心ではないので、ある程度の動きや衝撃に対する堅牢性は必要でした。
この「堅牢性」というのをどう捉えるかが非常に難しく、かつ最も悩んだ点です。
堅牢性だけを考えるならG-SHOCKで良いわけですし、機械式であればジンやボールウォッチ、ダマスコなどのブランドもあります。
ですが、堅牢なだけ(とは言い切れませんが)な時計は選びたくなかったですね。これは今回に限らず機械式腕時計を買う時の一つの基準にしているのですが、自分が「G-SHOCKで良いのでは…?」と思えてしまうような時計には食指が動きません。だから”ある程度”なのです。
もちろん衝撃に弱い機械式でありながら、G-SHOCK並の堅牢性を実現していることに価値を見出すのも分かります。ただ、今の僕はそこに数十万円払う気持ちにはなれませんでした。
まぁ自分好みでない理由付けな気もしますが…(苦笑)
ですので、IWCのマークXVIIIや、チューダーのBB58などの時計を候補に挙げて長い間悩んでいました。
その中でもオメガの「アクアテラ」は非常にバランスが良く、高いスペックとダイバーズウォッチらしくないデザインに惹かれていました。
なぜアクアテラではなくアクイスを選んだか?
さて、ここからが本題です。なぜアクアテラではなくアクイスか?答えはこの4つ。
- ダイアルカラー
- キャリバー400の実用的すぎるスペック
- クイックストラップチェンジシステム
- 絶妙な価格設定
文字盤カラー
購入の決め手となったのは、従来のアクイスとは異なるこのブルー。これがほぼ全てと言っていいです。
時計自体のスペックやブランド力はアクアテラが圧倒していますが、色味にどうしても納得がいかないまま時間が過ぎていきました(後述します)。
そんな中で現れた新型アクイスの色味が自分の好みにドンピシャだったので購入、という運びとなりました。
オリス/アクイス キャリバー400(右)
— ハミルトン正規販売プレミアショップ 福岡天賞堂 (@tenshodo2) November 4, 2020
既存のアクイスブルー(左)と比較。
全然色が違いましたね😅 pic.twitter.com/kdBcjEAanK
キャリバー400の実用的すぎるスペック
アクアテラが購入候補筆頭だったのも仕事で使える実用的なスペックだったから。
アクイスもその点では負けておらず、
- 5日間のパワーリザーブ
- 高耐磁性
- 高防水性
- 高メンテナンス性
という素晴らしい特徴を持っています。
似たようなスペックなのがボーム&メルシエの“ボーマティック”ですが、あちらはどちらかというとドレス寄りなデザインなので棲み分けができています。
オリスがこの高スペックなムーブメントを最初に搭載するモデルにダイバーズウォッチを選んだのは、もしかしたらボーマティックを意識したのかもしれませんね。
クイックストラップチェンジシステム
もはや定番となりつつある、ブレス・ストラップの簡単な着脱機構が新型アクイスにも採用されました。
この機構の良いところはケースとブレスの手入れが楽になること。
日常的に使う実用時計であれば汚れも溜まりやすくなるはず。その際、簡単に着脱できるというのはそれだけで魅力的です。
絶妙な価格設定
そして、この時計が30万円台で手に入るという事実を忘れてはいけません。
アクアテラなら並行価格でも40万円台はします(モデルや相場による)。
30万円台というのは、自分の中で遠慮なく使えるギリギリのラインかなと思います。
僕のアクイス購入フローチャート
このcal.400搭載アクイスが出ると知ってからは、
こんな感じです(笑)
満を持して発表されたキャリバー400の、最初のダイアルカラーがブルーだったのはグッドタイミングだったといえます。
あれっ、好みだ… https://t.co/Hq5K64oc5C
— T@KE/WPに移行しました (@take87bluelover) October 30, 2020
オリス アクイスデイト キャリバー400見てきました。
— T@KE/WPに移行しました (@take87bluelover) November 3, 2020
特別に許可を得て屋外でも撮影しましたが、自然光の下でも綺麗です。暗所での見え方もまぁ良し。
cal.400はローターがヘアライン仕上げで、全体的にマットな質感がなんとなくパネライを彷彿とさせました。
撮影協力@tenshodo2 pic.twitter.com/tcfIkVHjUI
※実はこのツイート時には購入を決めていました。
アクイス購入前まで悩んでいたブランドとモデル
オメガ:シーマスター アクアテラ
実はほぼ決まりでした。アクアテラ購入レビュー記事の下書きもほぼ済ませていました。
ただ、どうしても気になる点が1つだけありました。それは先ほど述べた文字盤の色味です。
アクアテラのブルーは光に当たった時は本当に綺麗な色味になるのですが、反面そうでない色味の割合も多いなとも感じていました。
これはSNSの投稿だけでなく、自分で実物を目にした時にも感じていたことです。
「そりゃあどんな時計だってそうだろう」と言われればそれまでですが、自分の中で引っ掛かるものがありました。
スペックやデザイン、ブランドイメージはアクイスより上だと思いますが、文字盤の色味一つで候補から外れるのだから分からないものです。
今回選んでいく中で分かったのが僕はデザインよりも色味を重視する事、そしてより鮮やかな色味の方が好みだという事。アホイ売却からも分かる通り微妙な色合いは駄目なんだなと。
また、現行の横ストライプモデルよりもディスコンの縦ストライプモデルの方が良いと思うようになったりと、自分の中で迷いが生じるようになったタイミングで現れたのが今回購入したアクイスでした。
でも、オメガの時計はいつか手にしてみたいですね。
ゼニス:デファイ クラシック
シンプルな3針ですが非常に仕上がりが綺麗で、エッジの効いたケースもカッコいいです。
また、チタン製のブレスレットは軽いだけでなく着け心地がかなり良さそうなので仕事で使う際の負担になることはないでしょう。
こちらも長い間「良いな良いな」と思っていた時計ですが、90万円近い時計を実用的に使うことに躊躇したので買わない方が良いと判断しました。
ただ、あくまで”仕事用として”買わなかったというだけで、プライベート用の時計として次に買う可能性は十分にある時計です。
デファイクラシックのケースがブラッシュ仕上げと知ってまた気になってきた。ただ並行に逃げたい価格差… pic.twitter.com/mENY6tXY6s
— T@KE/WPに移行しました (@take87bluelover) September 8, 2020
IWC:マークXVIII プティ・プランス
コレクションにないパイロットウォッチであり、特徴的なアラビアインデックスは違いを作るには十分。
薄いケースに細かい5連ブレスは着け心地が良さそうで、文字盤の青色も好きな色味。
しかし既にIWCを所有していること、将来的に新ムーブが搭載される可能性が高いことから見送りました。
IWCの実用時計としてのトータルバランスはロレックスにも引けを取らないと思っています(かなり贔屓目に見てる)。
マークシリーズは特に良い選択になったでしょうが、今回は縁が無かったですね。
チューダー:ブラックベイ58
出典:チューダー公式
厳密に言うと候補には上がりましたが、候補では無かったです。
どういうことかというと、現物を見ることができなかったので判断ができませんでした。悩むことすらできませんでしたね。
今回の買い物でチューダーについて初めて調べましたが、とても良い時計を作っている印象を受けました。
が、それが誰にでも行き渡らない(全てのモデルがそうではない)というのはなんとも残念な気持ちです。
本当に好きなら買えるまで待つものですが、この点がチューダーが僕の心から離れていく要因となりました。
そして結果的にアクイスの買いやすさが際立つことになりました。
オリスというブランドに対して
出典:オリス公式
最後に、オリスというブランドに対する僕の想いや考えを話して終わりたいと思います。
まず良心的な価格設定をしているイメージがあります。
グループに属さずに(一時期を除く)一貫して機械式腕時計を作り続けている姿勢にも感銘を受けます。
語るべきストーリーがあるブランド、というイメージです。ドイツブランドのNOMOS(ノモス)に近い印象を受けます。
1904年以来、私たちはインダストリアルな時計作りの魂を守り続けており、「実用的に意味あるものを作る」という信条の元に機械時計を作っています。自分たちの仕事に信念を持ち、時流に流されることなく、自分の流儀を貫く姿勢(Go your own way)を保っています。
オリス公式より引用
オリスの公式サイトに載っている企業理念です。
仕事用の実用時計を探していた僕が、「実用的に意味あるものを作っている」オリスにたどり着いたのはある意味当然の結果なのかもしれません。
オリスは1本欲しいなとは思っていましたが、好みの時計がありませんでした(以前レビューしたアートリエは購入に近かったものの、パワーリザーブの短さで断念) 。
それが今回のアクイス登場により手にすることができました。
ノモス、ティソ、オリエント、IWC、セイコーに次ぐ自身6番目のブランド。
アクイスは主に仕事で使う時計になりますが、僕もオリスのように「Go your own way」の信念をもって働きたいと思います。