僕の長年の憧れであった、IWCのポルトギーゼ・クロノグラフ青文字盤(IW371491)を購入して1年が経ちました。
購入当時のレビューはこちら。
今回は、購入から今日に至るまでの1年間のポルトギーゼ・クロノグラフ青文字盤(以下ポルトギーゼ)に対する想いをこの記事に凝縮したいと思います!
本記事のために撮り下ろしたものを含む、30枚以上の写真と約9,000文字でその魅力をお伝えしていきます。
魅力的な3パターンの青
まず最初に伝えたいのがその青色。
完全に好みの話になってしまうんですが、ポルトギーゼの青は完璧です。明所・暗所どちらでも魅力的な青色を見せてくれます。
光の下で文字盤が綺麗なのは当たり前。光が当たっていない場所でも鮮やかな色味なのかが、個人的には重視している点です。
ここではその色味を僕なりに3つに分けてみました。
①光に当てた時の明るい青
まず1つ目が光に当てた時に現れる明るい青です。
特に太陽光を思いきり当てた時に出る、焼けたような明るい青はポルトギーゼのイメージに無い人も多いのではないでしょうか。
綺麗な色味なのでそのまま無加工でSNS投稿することが多いです(僕はインスタグラムではほぼ加工する事にしています)。
この状態でマクロ撮影してみると、細かいサンレイ仕上げで若干マットなのがよく分かります。
②艶のある中間的な青
2つ目が、最も目にするであろう艶のある青。
インデックスと針のシルバーと、文字盤の青の色味バランスがちょうどいいです。この色味だとサンレイ仕上げが目立ちます。
青文字盤の魅力の一つがこのシルバーだと僕は思っています。
シルバーは視認性という点では一歩劣りますが、時計を上品にしてくれます。高級感も出ますね。
ここは人気の青針モデル(後述します)にはない強みです。
③暗い青
そして3つ目が、光の当たっていない暗所などで見られる暗めの青です。
主張を抑えた青が、インデックス・針・ケースをより引き立てています。
普段この色味を目にすることはあまり無いですが、暗くても魅力が薄れることはありません。
これら3つの色がすべて同じ時計から発せられているというのがおもしろいですね。
いつ・どこで見ても魅了される青がポルトギーゼ最大の魅力です。これがまず初めに言いたかったことです。
上品で上質なデザイン
次に伝えたいのがその上品なデザイン。
僕を含む多くの人がポルトギーゼ=上品というイメージを持っていると思いますが、そのデザインを見ていきましょう。
①クロノグラフ感を消したダイヤル
まず、5分ごとに置かれたアラビアインデックスが目に入ります。
アラビアインデックスの内側には1分ごとにドット型のインデックスが配置。
さらにその外周は細かいバー状のインデックスが並んでいます。
1秒が4分割されているのは、28800振動(8振動)だからでしょう。
この部分はすり鉢状で少し角度がついており、ダイアルとは異なる仕上げが施されています。
光に当てるとサンドブラスト加工のようなザラザラした質感が現れます。
30分積算計とスモールセコンドの縁はシームレスなので主張が弱め。日本庭園の枯山水を思わせる仕上げが美しいです。
こうして全体を見るとまるで3針時計のような雰囲気があります。良い意味でクロノグラフ感がありません。
12と6のインデックスをインダイアルが覆っているデザインは、好みが分かれるポイントかもしれません。
僕も元々好きではありませんでしたが、使っていくうちに気にならなくはなりました。
②ダイヤル全体を大きく見せるケース
上の写真を見ても分かる通り、ポルトギーゼはベゼルがものすごく細いことに気が付くと思います。
ケースサイズが40.9mmで、ベゼルを除いたサイズが38mm。ベゼルの占める割合がケース全体の7%ほどしかありません。
この細いベゼルゆえに、ポルトギーゼにはクロノグラフ特有の窮屈さを感じません。
クロノグラフで面積の多いアラビアインデックスを採用すると、どうしてもギュッと詰まった印象を受けます。実際クロノグラフには、オメガの「スピードマスター」を始めとしてバーインデックスを採用したモデルが多いですが、ポルトギーゼはダイヤル全体が広くて余裕があります。
また、ストップウォッチボタンが奥に配置されているので、正面から見るとボタンの支柱がほぼ見えません。この支柱部分が見えていると、どうしてもそちらに目がいきます。
ここでもポルトギーゼがクロノグラフ感を消しているのが分かります。
ケースはサテンとポリッシュに分けられています。
ケースサイドと裏蓋はサテン、それ以外はポリッシュ仕上げとなっています。
こちらはラグ部分をマクロ撮影したものですがサテンの仕上げの細かさが見事ですね。まるでCG加工のようです。
③見た目と実用性を兼ねたリーフ針
そして代名詞とも言うべきリーフ針。リーフ針といえばポルトギーゼと言っても過言ではないでしょう。
長針とクロノグラフ秒針の先端が曲げられているのが、なんともいえない色気を感じさせます。
見た目の良さだけでなく、インデックスとの距離が短くなることで視認性の向上にも貢献します。
長針がインデックスにしっかり届いているのも良いですね。
単に時刻合わせがしやすいだけでなく、これも質の高い仕上げの一つだと僕は思ってます。
SNSの情報によると、このリーフ針の形状はサプライヤーによる個体差が存在するようです。
購入する時は針の形状もチェックしておくと良いかもしれません。
「ポルトギーゼは大きい」のか?
「ポルトギーゼは大きい」
ポルトギーゼについて見ていると必ずと言っていいほど出てくる言葉です。
まずハッキリ言っておくと小さくはないですし、取り回しやすいとは言えません。
ケースサイズ40.9mm、厚さ12.5mmのクロノグラフですから当然と言えば当然です。
ラグは僕の腕(腕回り16.5cm)に収まってはいますが、どうしても存在感は出ます。
これは先ほど述べた、ダイヤル全体の広さゆえに視覚的に大きく見えているのではないかと思います。
また、肉厚な純正ベルトが手首から余っているように見えるのでこれも理由でしょう。上の写真が良い例です。
ですが、”懐中時計用のムーブメントを乗せた腕時計”というポルトギーゼ誕生の経緯を考えれば、これくらいのサイズで良いと思います。そもそもがそういう時計なのだと。
また、小さくなるとせっかく広いダイアルスペースが狭くなり、逆に窮屈さを感じるかもしれません。
ですので「もう少し小さければ…」と考えるのではなく、少々存在感のあるサイズを受け入れてどれだけ自分のものにできるかがポルトギーゼオーナーには求められる気がします。大げさでしょうか(笑)
そもそも論ですが、ドレスウォッチのようなサイズ感を求める人はポルトギーゼの購入を検討しないでしょう。
ちなみに僕は細身体系ですがポルトギーゼのサイズが浮いていると思ったことはありませんので、同じく細身で心配されてる方もチャレンジしてもらいたいと思います。その際は、全身鏡でトータルバランスを見ることをおすすめします。
この点は個別に記事にしましたので、合わせてご覧ください。
自ら被写体となり、リストショットでないポルトギーゼの写真を掲載しています。
着け心地の悪いベルトは社外品で解決!
僕はポルトギーゼの記事を書く度に純正ストラップの着け心地の悪さを指摘してきました。それはもうしつこいくらいに(笑)
夏はパーロンストラップ
それを解消するためにまず夏の時期にパーロンストラップに換えました。
パーロンストラップはベルト穴が無く、好きな場所に穴を開けられるので調整が自由にできます。
しかしポルトギーゼのストラップは革にしたかったので最善策ではありませんでした(真夏ならこれでも良しなんですが)。
それ以外の季節は裏ラバーのリザードストラップ
そこで次に考えたのがオーダーストラップ。
オーダーなら穴の位置や数を決められるのでジャストフィットさせられますし、裏面ラバーやイージークリックを付けることで実用的なカスタマイズも可能です。
素材はリザードにしました。独特の風合いと光沢が、上品なポルトギーゼによく合います。
このオーダーストラップを以て着け心地の悪さは完全に解消されました。
真夏のポルトギーゼに合わせるベルトの良し悪しと、それを選んだ理由についてオーナーの皆さんに質問した記事を書きました。
こちらもぜひご覧ください。
購入後に自社ムーブ搭載モデルや「オートマティック40」が登場して後悔してる?
出典:IWC公式
僕が2019年10月に購入したポルトギーゼは「ETA7750」をベースとしたいわば”旧モデル”。
購入から1か月後には自社ムーブメント(cal.69355)搭載の”新モデル”が発表され、ディスコンとなった旧モデルは価格が下がります。
さらに購入から半年後の2020年4月には新作として「ポルトギーゼ・オートマティック40」が発表されます。
こうして見るとタイミングは良くないですね。もう少し待っていればポルトギーゼ・オートマティック40という別の選択肢も生まれました(この点に関してはまた別の機会に話したいと思っています)。
しかしながら名機と言われるETA7750をベースとしているだけあって精度は非常に高いですし、そんなに後悔はしていないんです。
後悔があるとすれば、憧れのモデルなのだから並行店ではなく正規店で買えば良かったということくらいです。
ポルトギーゼ青文字盤は不人気!?
にわかには信じがたいことですが、青文字盤はどうやら購入者が少ないようです。実際僕のSNSのフォロワーには青文字盤所有者はゼロ。それどころかタイムラインでも見たことがありません…僕って日本で唯一の青文字盤オーナーなんでしょうか。
※2021/03/29追記:最近はちょくちょく青文字盤オーナーの方もお見掛けするようになりました。単に僕の周りに居なかっただけでしたね。
当記事執筆時の価格.com売れ筋ランキングでも、青針モデルの171位に対して青文字盤は1056位…(どちらも旧型モデル)。普段ランキングはまったく気にしない性質ですがちょっと泣きそうです。
「ポルトギーゼといえば青針の白文字盤」というイメージが定着しているのでしょう。ラインナップに青文字盤があることは案外知られてないのかもしれません。
なのでオーナーとして青文字盤の魅力を伝えることに燃えています。もちろんこの記事もその一つですし、SNSも活用しています。
「ポルトギーゼ青文字盤といえばT@KE【タケ】」と思ってもらえるのが今の目標ですね。
そして青文字盤オーナーが増えることを願っています。
憧れのポルトギーゼを手にして変わったことは?
憧れの時計を手にしたことで、一つの到達点に達したという充足感があります。
ここで腕時計熱が燃え尽きるかな?と思いましたがそんなことはなく…(笑)
変わったことといえば、持ち物をポルトギーゼに合わせるようにしました。ファッションの観点からも、時計だけが”浮いてる”という事態は避けたいと思っています。
ちなみに着けていてポルトギーゼだと気付かれた回数は0です。高級腕時計あるあるですね。誇示したいわけでもありませんが、いつか気付いてくれる人が表れると嬉しいですね。
まとめ
…以上僕のポルトギーゼに対する想いでした。
想いが先行してうまくまとまっていないかもしれません。
この記事を見て青文字盤の魅力を知ってもらえたら嬉しいですし、一緒に青文字盤オーナーになってくれたらもっと嬉しいです。
購入後に慣れることはあっても、飽きることはまったくありませんでした。以前の記事でも書きましたが、憧れという感情はとても強いのだなと感じています。
持っているだけで自分を上げてくれる、満足させてくれる宝です。人生の相棒です。
そう言い切ってしまいます。
時計を購入すると見る楽しみ、学ぶ楽しみ、次を考える楽しみに、撮影する楽しみと、無限にありそうですね😁
— 松本_背デカいマン (@matsumoto_wing) May 24, 2020
このリプライをいただいた時は真理だな、と思いました。この通りですね。買って終わりではない。
購入から随分時間が経過したように思いますがまだ1年。これからも左手首で持ち主を魅了し続けてくれることでしょう。
そんなポルトギーゼの“青に惹かれて”僕の腕時計人生はまだまだ続いていきます。
同じIW371491オーナーさんの声
同じ旧型青文字盤(IW371491)のオーナーさんにインタビューしましたので、こちらも合わせて参考にしてみて下さい。